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夏の在宅ワーク中に考えたい「犬と暮らす」適性——ボランティア体験から見えたシェルターの現実と向き・不向き比較

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.27 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

在宅ワークの昼休み、シェルターの犬たちは何をしている?

リモートワークが定着し、家にいる時間が増えたことで「犬を迎えたい」と考える方が増えています。しかし、保護犬を迎える判断は、かわいさだけでは続きません。私が夏に参加したシェルターのボランティア体験では、想像以上に「人と暮らすための練習」が必要な犬たちの姿がありました。この記事では、現場で感じたリアルな気づきをもとに、在宅ワーク中心の生活と保護犬の相性を「向き・不向き」で比較整理します。

夏のシェルターで見た、犬たちの「今」

7月下旬、私は都内の保護犬シェルターで半日ボランティアを体験しました。朝9時に到着すると、すでに何頭かの犬がシェルター内の通路を散歩していました。スタッフの話では、夏は見学者が増える一方で、犬たちのストレスも高まりやすい季節。気温と湿度が上がることで散歩の時間が短くなり、室内で過ごす時間が長くなります。そのため、面会時の犬の様子は「普段の姿」とは異なることも多いそうです。

私が担当したのは、推定3歳の雑種犬・メス(仮名:モモ)。人懐っこく、すぐに膝に乗ってくる甘えん坊でした。しかし、他の犬が近くを通ると急に吠えたり、スタッフがリードを持つと体を硬くしたりする場面も。ボランティア経験のある方なら共感できるかもしれませんが、シェルターの犬は「過去の経験」を抱えています。モモの場合、保護される前に十分な散歩経験がなかった可能性があるとのことでした。

在宅ワークと保護犬の「向き・不向き」比較表

ここからは、在宅ワークが中心の生活スタイルと保護犬の相性を、具体的な項目ごとに比較します。ボランティア体験で得た現場の声も交えながら、自分に当てはまるかチェックしてみてください。

1. 1日の過ごし方

  • 向いている人:仕事の合間に短い休憩をこまめに取れる。午前と午後に10〜15分の散歩やトイレ休憩を挟める。
  • 向いていない人:オンライン会議が連続し、昼休みもPCの前から離れられない。集中作業中は声かけもできない。

シェルタースタッフの話では、「在宅ワークでも、犬と過ごす時間が“ながら”になっていないかが重要」とのこと。犬は人の視線や声かけをよく観察しています。会議中に吠えてもすぐに対応できない環境なら、迎えた後にストレスが溜まる可能性があります。

2. 住環境と夏の暑さ対策

  • 向いている人:エアコンの効いた部屋で犬が涼めるスペースを確保できる。窓から外の景色が見える場所がある。
  • 向いていない人:仕事部屋が狭く、犬の居場所と自分の作業スペースが分けられない。夏場の室温管理が難しい。

夏のシェルターでは、犬たちが冷感マットの上で伸びている姿をよく見ました。しかし、一般家庭ではエアコンの設定温度や風向きに注意が必要です。特に在宅ワーク中は、自分が快適でも犬にとっては寒すぎることも。犬の様子を見ながら温度を調整できるかがポイントです。

3. 散歩の確保

  • 向いている人:朝と夕方、気温が下がった時間帯に散歩を習慣化できる。仕事の合間に短時間のトイレ散歩を挟める。
  • 向いていない人:日中の外出が難しく、夜遅くまで仕事。散歩は1日1回で十分と考えている。

夏は熱中症リスクがあるため、散歩の時間帯に工夫が必要です。ボランティア中、スタッフが「昼間の散歩は犬の足裏を火傷させる危険がある」と話していたのが印象的でした。在宅ワークなら、早朝や夕方に散歩の時間を組み込みやすい反面、仕事に追われると後回しにしがちです。タイムスケジュールに散歩を固定できるかがカギになります。

4. 社会化としつけの継続

  • 向いている人:犬のペースに合わせて、少しずつ新しい環境に慣らす根気がある。しつけ教室やトレーナーに相談できる。
  • 向いていない人:「保護犬だから大丈夫だろう」と、すぐにドッグランや人混みに連れて行きたい。問題行動があっても自己流で解決しようとする。

モモは他の犬に対して警戒心が強く、ゆっくり距離を縮める必要がありました。シェルターでは、ボランティアが犬同士の距離を調整しながら散歩させる様子が見られました。在宅ワークで家にいる時間が長いと、つい構いすぎてしまうことも。犬のストレスサイン(あくび、舌なめずり、体を震わせるなど)を見逃さない観察力が求められます。

5. 家族の役割分担

  • 向いている人:同居家族がいて、散歩や給餌を分担できる。在宅ワークでない家族も協力的。
  • 向いていない人:単身で、自分が体調を崩したときの代替がいない。家族が「犬は苦手」と言っている。

シェルターの面接では、家族構成や生活リズムについて細かく質問されます。特に「在宅ワークが終わった後、犬とどう過ごすか」を聞かれることが多いそう。仕事が忙しいと、どうしても犬との時間が減りがちです。家族のサポートがあると、犬も人も余裕を持てます。

見学時に確認したい「質問リスト」

実際にシェルターを訪れる際は、以下の点をスタッフに聞いてみましょう。ボランティア体験で私が尋ねた質問の一部です。

  • この犬は1日のうち、どのくらい外に出ていますか?
  • 他の犬や人に対して、どんな反応を見せることが多いですか?
  • 夏場の散歩はどの時間帯に行っていますか?
  • 留守番中に鳴き続けるなどの行動はありますか?
  • 迎えた後、しつけや健康面でサポートしてもらえる制度はありますか?

特に「夏の暑さで食欲が落ちていないか」「クーラーの効いた部屋でリラックスできるか」は、季節ならではの確認事項です。スタッフは日々の記録を持っているので、具体的なエピソードを聞くと良いでしょう。

迎えた後の生活をシミュレーションする

保護犬を迎えるかどうか迷ったら、1日のタイムスケジュールを紙に書き出してみましょう。在宅ワークの場合、仕事の開始時間や会議の合間に、犬のトイレや散歩をどう挟むか。夏なら朝6時の散歩、昼は室内で遊ぶ、夕方は日が落ちてから散歩、といった具合です。実際にボランティアで犬と過ごしてみると、想像以上に「自分の時間が削られる」と感じるかもしれません。しかし、その時間が愛おしいと思えるかどうかが、向き・不向きの分かれ目です。

シェルターのスタッフは「迎えたその日から完璧を目指さないでほしい」と話していました。犬も人も、少しずつ関係を築いていくもの。夏のボランティア体験は、その第一歩を疑似体験できる貴重な機会です。興味がある方は、まずは見学やボランティアから始めてみてはいかがでしょうか。

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