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年末年始の帰省と初詣、子連れ家庭が保護犬と「家の中の運動会」を乗り切る段取り帖

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.24 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

年末年始は、小学校の冬休みと大人の休暇が重なり、家庭の時計が一気にゆるみます。帰省、初詣、親戚の来客、テレビの長時間視聴。保護犬にとっては「いつもの散歩の順番」「いつもの静かな昼」が崩れやすい時期です。しかも寒さで外歩きは短くなりがち。室内で遊ぶ時間が増えるぶん、家具をかむ、子どもに飛びつく、トイレトレーを外すといった小さなサインが出やすくなります。

この記事は、未就学児〜小学生の子どもがいる家庭で、保護犬を迎えて最初の年末年始を過ごす人に向けた実践ガイドです。特別な道具は使いません。紙とペン、スマホのメモ、そして家族の短い話し合いで組み立てられる手順に絞りました。

まずは「年末年始の1日」を三つに分けて書き出す

いきなり散歩の回数を増やすのではなく、休み期間の1日を「午前・午後・夜」の三つに分けて紙に書き出します。手順は次の通りです。

  • 紙を縦に三つ折りし、上から「午前」「午後」「夜」と記入する
  • 帰省や初詣など、家を空ける予定を先に書き込む
  • その前後に、犬と過ごせる30分の枠を最低二つ入れる
  • 子どもが犬と関わる時間と、大人だけで見守る時間を色分けする
  • 冷蔵庫の扉に貼り、家族全員が同じ紙を見られるようにする

ポイントは、散歩を「外に出る時間」ではなく「犬が落ち着く時間」として数えることです。外が寒くて10分しか歩けない日は、残り20分を室内の遊びに置き換える発想でかまいません。予定表に書くことで、子どもも「今日はこの時間が犬の番」と見通しを持てます。

寒い日の散歩は「距離」より「においをかぐ回数」で組み立てる

冬場は路面が冷たく、短い足の犬や高齢の犬には負担がかかります。そこで、散歩の目的を運動量から「外の情報を集める時間」に切り替えます。

  • 家を出る前に、子どもに「今日は何回においをかがせるか」を相談させる(例:5回)
  • 同じ道をぐるぐる回らず、曲がり角を決めて3ブロック以内で戻る
  • 歩く速さは大人の感覚より一段ゆっくり。子どもが先を急いだら「犬のペース係」を任命する
  • 冷たい風が強い日は、コースを日なた側に寄せ、信号待ちの間も抱っこで地面を離す
  • 帰宅後は足先をぬるま湯で拭き、霜や融雪剤をなめないよう見届ける

「何回においをかいだか」を数えると、短い散歩でも子どもが満足し、犬も情報を得られます。歩く距離を競うより、家族の役割がはっきりします。

室内遊びは「走る・探す・休む」の3種類を用意する

外歩きが短くなる分、室内で体を使う時間を作ります。ただし、家の中を走り回ると子どもの足に犬が絡みやすく、興奮も長引きます。次の3種類をローテーションしてください。

1. 探す遊び(頭を使う)

新聞紙を丸めたボールにフードを数粒包み、子どもに「隠す係」を頼みます。犬が鼻先で転がして食べるまでの時間は、運動量より集中力の消費に向いています。隠す場所は同じ部屋の床に限定し、届かない高さや家具の隙間には置かないのが約束です。

2. 走る遊び(短く区切る)

廊下ではなく、絨毯を敷いたリビングで、子どもが座ったままボールを転がす形にします。立って投げると犬の飛びつきを誘うため、床を転がすだけ。1回2〜3分で終え、必ず水を飲ませて休ませます。

3. 休む場所を決める

クレートやベッドのそばに「ここにいる間は触らない」という家族共通の合図を決めます。年末年始は来客が多く、犬が休む場所を確保しないと、夜に落ち着かなくなりがちです。合図は「おやすみ」など短い言葉にし、子どもにも練習させます。

来客・帰省の前に、子どもと交わす三つの約束

親戚の子どもが遊びに来ると、犬は見慣れない声と動きに緊張します。出迎えの前に家族で確認する項目です。

  • 玄関で犬を抱っこして固定しない。ドア越しに一回鳴かせて様子を見る
  • おやつをあげるのは大人が手のひらにのせて渡す。子どもの手から直接渡さない
  • 犬が自分の場所に戻ったら、呼び戻さずにそっとしておく

「吠えたらすぐ黙らせる」より、「吠えても大丈夫な距離を取る」ほうが現実的です。来客中は犬の場所をパーティションやクレートで仕切り、15分ごとに家族の誰かが声をかけると安心して休めます。

冬休みに始める「30秒歯みがき」の習慣づくり

寒さで散歩が短くなる時期は、家の中で毎日続けられる手入れを一つ増やす好機です。保護犬は口の中の状態が不明なことも多いため、無理のない範囲で慣らします。

  • 1日目は歯みがきシートを指に巻き、口の横を一度触るだけ
  • 2〜3日目は前歯の表面を2回拭く
  • 1週間目から奥歯に1回ずつ触れる
  • 嫌がったらその日は終了。翌日は前日より短くする

子どもには「犬が口を閉じているときは声をかけない」と伝え、見学だけにします。年末年始の来客が落ち着いた頃に動物病院へ相談し、歯石の状態を確認しておくと安心です。

帰省先に犬を連れて行く場合の持ち物と手順

実家に犬を連れて行くなら、当日の移動より前日の準備が勝負です。次の順で整えます。

  • いつもの寝具、トイレトレー、フードを普段どおり持参する(変えるのは1つまで)
  • 実家の間取りを家族で確認し、犬が逃げ込める静かな一角を決めておく
  • 到着後1時間は荷ほどきを優先し、犬はクレートで休ませる
  • 初詣は家族が交代で行き、犬だけの留守番時間を作らない
  • 帰宅後2〜3日は、散歩の時間を元のリズムに戻す

初詣の誘いは断りづらいものですが、短時間の交替制にすれば犬も家族も負担が減ります。移動中にぐずる子どもがいる場合は、休憩を多めに取り、犬を車内に残しての買い物は避けてください。

休み明けの1週間でリズムを戻す手順

年末年始が終わると、学校や仕事が再開します。犬が「休みの生活」に慣れすぎないよう、次の順で戻します。

  • 3日前から朝の起床時刻を30分ずつ早める
  • 散歩の出発時間を、通常の時刻に近づける
  • 日中に長く遊んだ日は、夜の散歩を10分短くして調整する
  • トイレの失敗が続く場合は、トレーの位置を変えずに回数を増やす

保護犬は環境の変化に敏感ですが、予測できる順番があれば落ち着きを取り戻します。家族の誰かが「今日は何時に何をする」と声に出して伝えるだけで、犬も子どもも安心します。年末年始の慌ただしさを、家族と犬の小さな習慣づくりの機会に変えていきましょう。

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