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秋の在宅シフトで増える「犬だけの時間」——保護犬と暮らす人のための台風・停電・急な残業に負けない備え方

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.11.02 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

「在宅だから大丈夫」が生む、新しい盲点

在宅勤務が定着し、保護犬と過ごす時間は確かに増えました。しかし、その安心感が「昼間に自分が倒れたら」「急な出社で長時間留守にしたら」という想像力を鈍らせている面もあります。秋は台風の接近や秋雨前線による長時間の雨、そして気圧の変化で犬が落ち着かない日が続きます。この記事では、在宅ワーカーならではの生活リズムを前提に、災害と留守番の備えを「今日からできる手順」として整理します。

手順1:秋の台風シーズン前に「犬用防災ポーチ」を玄関に固定する

まずは、持ち出すときに迷わないよう、リードやハーネスとは別に「犬用防災ポーチ」を一つ作り、玄関の靴箱の上など、必ず目に入る場所に置きます。中身は次の5点に絞ります。

  • フードの小分けパック(3日分)と折りたたみ式の水皿
  • 常備薬がある場合は1週間分と、かかりつけ獣医の連絡先メモ
  • 排泄物処理袋(多めに)とウェットティッシュ
  • 予備のリードと、普段使っている首輪の予備
  • 犬の写真(正面・全身)と飼い主の連絡先を書いたカード

ポイントは「詰め込みすぎないこと」。重いと持ち出す際にためらいます。秋のうちに一度、実際にリュックに入れて背負い、歩いてみて重さを確認しておきましょう。

手順2:停電を想定した「明かりと温かさ」の確認

台風や強風で停電が起きると、在宅勤務の延長線上にいる私たちは「電気が戻るまで待とう」と考えがちです。しかし犬にとって暗闇と音の変化は大きなストレスになります。次の3点を秋の晴れた日に試してください。

  • 電池式のランタンを1つ、犬の居場所の近くに置く(LEDでも犬によっては眩しすぎるため、间接照明が安心)
  • 犬用の薄手のブランケットを1枚、いつもの場所に追加する(秋の夜の冷え込み対策と、隠れ場所づくりを兼ねる)
  • スマートフォンの充電を夜間に満タンにしておく習慣をつける

停電時はエアコンが止まり、秋でも湿度が高い日は蒸れます。窓を少し開けられるか、ハザードマップで浸水の可能性を確認しておきましょう。

手順3:避難経路を「犬と歩く速度」で下見する

在宅勤務者は平日の昼間に散歩する機会が増えています。その散歩コースを、一度「避難経路」として歩き直してみてください。具体的には、次のことを確認します。

  • 途中に段差や階段が多いか(高齢犬や小型犬の場合、抱っこが必要な箇所をメモ)
  • 途中で雨宿りできる場所(コンビニの軒先、公園の東屋など)
  • 道路が冠水しやすい低い場所がないか
  • 自治体の避難所のうち、ペット同行が可能な場所までの距離

秋の夕方は日が短くなります。明るい時間に一度歩いておくと、夜間の停電時にも安心です。歩きながら、犬が怖がる音(バイク、工事音など)をチェックしておくのも有効です。

手順4:急な残業・出社に備える「3時間ルール」

在宅勤務の最大の落とし穴は、急なオンライン会議やトラブル対応で、散歩の時間がずれることです。保護犬の中には、トイレの失敗を極端に嫌がる子もいます。そこで「3時間ルール」を提案します。すなわち、自分が席を外せない状況になる前に、必ず3時間以内に一度は犬の様子を見られる段取りを決めておくのです。

  • 午前の会議が長引きそうなら、開始前に短いトイレ休憩を済ませる
  • 家族やパートナーがいる場合は、昼の時間帯の担当を前日に確認しておく
  • 一人暮らしの場合は、信頼できるペットシッターや近隣の知人に「緊急時のみ」の連絡先として伝えておく

「3時間」はあくまで目安ですが、これを決めておくと、自分の焦りが減り、犬にも落ち着いた対応ができます。

手順5:秋の気圧変化に備えた「観察メモ」

秋は台風や前線の通過で気圧が大きく変動します。犬がそわそわしたり、食欲が落ちたりするのは珍しくありません。在宅勤務の合間に、次の3項目を1行メモする習慣をつけましょう。

  • 朝の散歩のときの歩き方(普段より速い・遅い)
  • 昼間の寝ている場所(いつもと同じか、狭い場所に隠れていないか)
  • 夕方の排泄の回数と状態

このメモは、災害時だけでなく、かかりつけ医に相談するときの材料にもなります。秋のうちに1週間続けてみると、自分の犬の「平常時」がわかり、異常に気づきやすくなります。

手順6:保護犬ならではの「安心グッズ」を再確認

保護犬は、過去の環境から特定の音や物を怖がることがあります。災害時の停電や避難所では、普段と違う刺激が増えます。秋のうちに、自宅で「安心できるもの」を再確認しておきましょう。たとえば、いつも使っているタオル、かじっても安全なおもちゃ、クレート(ハウス)などです。避難所に持って行けるのは限られますが、車での避難や一時預けの際に役立ちます。

また、クレートに慣れていない場合は、秋の夜に少しずつ扉を開けたまま中にフードを置くなど、ハウス=安心の場所という経験を積ませておくと、停電時にも自分から入ってくれることがあります。

手順7:地域の「ペット防災」情報を秋のうちに集める

最後に、住んでいる地域のペット防災に関する情報を、秋の落ち着いた時期に集めておきましょう。自治体のハザードマップ、ペット同行避難のルール、近隣の動物病院の停電時の対応などです。在宅勤務の昼休みに、自治体のホームページを10分眺めるだけでも違います。

特に、保護犬を迎えて間もない家庭では、避難所のルールを事前に知っておくことで、いざというときの選択肢が増えます。「犬と一緒に避難できる場所」を一つだけでなく、二つ、三つと頭に入れておくと安心です。

まとめ:秋のうちに「犬だけの時間」を具体的に想像する

在宅勤務が増えたからこそ、私たちは「自分がいる前提」で一日を組みがちです。しかし災害も急な留守番も、その前提を崩すところから始まります。この秋、上の7つの手順のうち、できるものから一つずつ試してみてください。備えは、犬との暮らしを窮屈にするものではなく、毎日の安心を少しずつ積み上げるものです。

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