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秋の行楽シーズンに考えたい保護犬の「もしも」備蓄——再チャレンジ飼い主が学ぶ災害と留守番の安心設計

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.22 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

秋の防災週間、保護犬との暮らしの「もしも」を見直す

9月1日の防災の日を過ぎ、各地で防災訓練が行われる季節になりました。朝晩の風が涼しくなり、散歩コースの銀杏並木も少しずつ色づき始めるころ。つい数年前まで犬を飼っていたけれど、諸事情で手放し、再び保護犬を迎える準備をしている——そんな「再チャレンジ飼い主」にとって、防災と留守番の備えは経験者だからこそ油断しやすい盲点です。「前はこうだった」が通用しないのが、保護犬との新しい暮らし。秋の気候を利用して、一度立ち止まって備えを見直してみませんか。

保護犬の防災備蓄、まずは「いつもの延長」から

災害時の備えというと大げさに考えがちですが、基本は普段の生活を少し延長するだけ。フードや水は最低5日分、できれば1週間分を目安にストックします。ここで大切なのは、保護犬がシェルター時代に食べていたフードや、慣れ親しんだおやつを多めに確保しておくこと。環境が一変する避難生活中、食の安心感はストレス軽減に大きく作用します。フードはローリングストック方式で、普段から少し多めに買い、古いものから使う習慣をつけると無駄がありません。棚の見やすい位置に「賞味期限シール」を貼っておくと、次回の買い足し時期が一目でわかります。

ケア用品は「かかりつけの証明」も一緒に

常備薬がある場合は、薬の名前・用量・投与時間を書いたメモを薬と一緒に保管します。保護犬は既往歴が不明なことも多いため、普段の健康状態を記した「ヘルスノート」を用意しておくと、避難先の獣医師に説明しやすくなります。狂犬病予防接種済証や鑑札のコピー、直近の血液検査結果もクリアファイルに入れてリュックへ。できれば写真データをクラウドに保存しておくと、紙が濡れても安心です。

留守番中の停電・断水をどう乗り切るか

災害は外出中に起こるとは限りません。仕事や通院でやむなく留守番させる時間帯に、停電や断水が発生する可能性も考えておきましょう。最近の自動給餌器や給水器は便利ですが、電気が止まると機能しません。対策として、電池式の予備を用意するか、陶器製の重たい水皿を一つ追加で置いておくのがおすすめです。暑さが残る初秋は、停電でエアコンが止まると室内温度が急上昇することも。窓を少し開けて風通しを確保できるよう、網戸のロックや脱走防止ネットの点検もこの時期に済ませておきましょう。

「慣らし留守番」で保護犬の不安を減らす

保護犬にとって、見知らぬ環境でのひとり時間は大きなストレスです。いきなり長時間の留守番をさせるのではなく、秋の涼しい午前中に10分、20分と少しずつ離れる練習を重ねます。出かける前はゆっくりした声で声をかけ、帰宅時は大げさに褒めないのがコツ。落ち着いた出入りが、犬に「待てば帰ってくる」という安心感を与えます。小型カメラや見守りサービスを活用するのも一案ですが、映像に頼りすぎず、帰宅後にリラックスできているかを観察することが大切です。

地域の避難ルールを秋のうちに確認

災害時、ペットと一緒に避難できるかは自治体によって対応が異なります。お住まいの地域の避難所でペットの受け入れが可能か、可能な場合のケージの要否や受付場所を、秋の防災訓練に合わせて確認しておくとよいでしょう。保護犬は知らない場所や人に敏感なことが多いため、日ごろからキャリーバッグやクレートに慣れさせておく「クレートトレーニング」が避難生活の質を左右します。週に一度、おやつを使ってクレートに入る練習をしておくと、いざという時に慌てずに済みます。

連絡先と預け先の「三つ折りメモ」

かかりつけ獣医、保護団体の担当者、信頼できる預け先(家族や友人、ペットシッター)の連絡先を一枚の紙にまとめ、冷蔵庫の扉とスマホの両方に保管します。停電でスマホの充電が切れても、紙のメモがあれば安心です。また、保護犬を迎えたばかりの時期は、預け先に慣れていないことも。秋のうちに一度、短時間の預け practice をしておくと、いざという時の預かりもスムーズになります。

秋の散歩道でできる防災ミニ訓練

毎日の散歩は、防災意識を育む絶好の機会です。いつもと違う道を歩いてみる、人が多い駅前をゆっくり通る、階段やスロープを練習する——そうした小さな経験の積み重ねが、災害時の落ち着いた行動につながります。秋は気温が穏やかで、犬も無理なく新しい刺激に慣れやすい季節。散歩の途中で立ち止まり、飼い主が「待て」や「おいで」を確認するだけでも、いざという時の信頼関係の土台になります。

まとめ:備えは「安心の習慣」として続ける

災害や留守番への備えは、一度そろえて終わりではありません。フードの賞味期限を確認するついでに、リュックの中身を点検する。季節の変わり目に、避難経路を家族で歩いてみる。そんな小さな習慣が、保護犬との暮らしに穏やかな安心をもたらします。再チャレンジ飼い主としての経験を活かし、秋の穏やかな日差しの中で、新しい家族との「もしも」に備えてみてはいかがでしょうか。

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